オリジナル小説サイトです。新刊書籍 王宮書庫のご意見番 恋するきっかけは秘密の王子様 発売中  異世界の本屋さんへようこそ! 全3巻 & 既刊 愛してると言いなさい全4巻 アルファポリス様より発売中です。よろしくお願いいたします
 こんばんは、安芸です。
 受難の恋 最終話です。
 あしかけほぼ二年の物語に最後までお付き合いくださいました皆々様に深く感謝申し上げます!
 願わくば、また次の物語で皆様にお目にかかれますように。
 引き続きよろしくお願いいたします。
 安芸でした。

 *余談ですが、このあと小説家になろう様への掲載も予定しております。その際は若干の加筆修正及びあとがきなど含めますので、興味のある方はどうぞ覗いてみてください。
<< 前の話


 午後、南の棟の中庭を三人は物陰からこっそり眺めていた。
 エミオンの兄クアン、ゼクスの側近ダン、エミオンの侍女チャチャである。
 視線の先にいるのはゼクスとエミオン、それに王犬のバリィだ。
 小さな庭園に悠然と聳えるカゼッタの大樹に吊るされたブランコにエミオンが腰かけ、ゼクスはその背後について穏やかに談笑している。全身真っ黒い毛のバリィは元気にはしゃいで、土の上を跳ねまわっていた。
 エミオンの膝の上には木の細工のバスケットがあり、エミオンは中から紙に包まれたクッキーを取り出してゼクスに差し出した。


「これは?」
「塩入りクッキーです。ずいぶん前ですけど、作って差し上げると約束していましたでしょ」
「覚えていたのか」
「いいえ、きれいさっぱり忘れていました。でも、最近になって思い出したんです」
「思い出してくれて嬉しい。さっそくいただこうか」
「どうぞ、召し上がれ」

 ゼクスは美しく焼き上がったクッキーを一枚指で口に押し込んだ。

「……まずい」
「えっ。まずい!?」
「いや、冗談だ」
「ひどい! 本気で焦ったわ!」
「すまない、あなたがあんまりじっと見るからついからかいたくなった。うまいよ。とても上手だ」
「……お世辞は結構です」
「世辞じゃない。第一、あなたが私のために作ってくれたものがまずいはずないじゃないか」

 ゼクスがニコッと笑うとエミオンは眼に見えて動揺し、カアッと赤くなりながら言った。

「……たくさん焼きましたけど、もっといります?」
「全部もらおう」


 さすがに会話までは聞き取れなかったが、見るからに仲良しバカップルの様子だ。
 クアンは呆れかえって呟いた。

「……なんだあれは。ままごとか?」

 ダンは大仰に肩をそびやかした。

「会話が成立している分だけ以前に比べれば格段にましですよ」
「あれで? 色気もなにもあったものじゃないぞ」
「色っぽい空気作りはまだ無理ですよ。それでも自分の妻を陰から盗み見するような真似はたまにしかしなくなりましたから」
「たまにしているのか?」
「ええ、たまに」

 顔を見合わせる。

「……」
「……」

 クアンとダンは同時にやるせない溜め息を吐いた。
 この場を取りなすようにチャチャが努めて明るい声を紡いだ。

「でも最近ではお嬢様と殿下もだいぶ夫婦らしくなっておいでですし、なによりお二方共、とてもお幸せそうですわ」

 陽だまりの中で笑う二人は本当に幸福そうで、互いしか見えていない熱愛ぶりだ。
 なんだか急にばかばかしくなって、クアンとダンは同時に踵を返した。

「馬に蹴られてもなんだし、お邪魔虫は消えるか」
「俺の部屋にいい酒がありますよ。ちょっと寄って行かれませんか」

 チャチャは二人に続いて立ち去ろうとしたものの、一旦足を止め、振り返った。

「――初恋も叶うことがあるのですね」

 よかったですね、お嬢様。

 背を向けたチャチャの耳に風に乗って賑やかな笑い声とバリィの吠え声が届いた。

                                                     2014・6・22 完
   
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【2014/06/22 02:15】 | 受難の恋
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ブログを拝見しました
つねさん
こんにちは。
スペースお借り致します。

お友達がたくさん出来て、投稿に参加する度ごとに直筆のカード式のファンレターが3~30枚以上届く文芸サークル(投稿雑誌)をやっています。
ネットでのやりとりも楽しいですが、ぬくもりが伝わるアナログでの活動は温かい気持ちになり、楽しさや幸せをより感じられます。
イラスト・詩・漫画・小説・エッセイなどジャンルを問わず何でも掲載しています。
月刊で150ページくらい。全国に約180人の会員さんがいます。
あなたがブログで発表している作品を雑誌に掲載してみませんか?
東京都内で集会も行っています。お友達や創作仲間作りにご活用下さい。

興味を持たれた方には、現在雑誌代と送料とも無料で最新号をプレゼントしています。
よろしかったらホームページだけでもご覧になって下さい。
ホームページにある申込フォームから簡単に最新号をご請求出来ます。
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/hapine/

これからもブログの運営頑張って下さい。
失礼致しました。


Re: つねさん様
安芸とわこ
 こんばんは、つねさん様! コメントありがとうございます。

 このたびは魅力的なお誘いをいただきまして、ありがとうございます。
 ホームページを拝見させていただきました。
 皆様、楽しそうに活動していらっしゃるようで素敵です。
 ただ、せっかくお声をかけていただいて恐縮なのですが、ただいま書籍刊行のための作業が立て込んでおりまして、皆様とご一緒できるような時間が都合つきそうにありません。
 基本的に空いた時間で自分の書きたい物語を書くので、定期的な活動というものができそうになく、却ってご迷惑をおかけするのではないかと思われます。
 時間に余裕ができたときに、あらためてお伺いするかもしれません。その時はどうぞよろしくお願いいたします。
 貴重なお時間をいただきまして、拙宅を訪問いただいたことにお礼申しあげます!
 ブログと小説家になろう様、及び、拙作書籍にてお付き合い願えれば幸いです。
 引き続きよろしくお願いいたします。
 安芸とわこでした。
 

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 連続更新中。
 二視点交互の物語。
 あとはエピローグです。
<< 前の話

 ゼクスは胸の中のエミオンが観念したようにおとなしくなったのでホッとした。
 ギュッとする。
 エミオンは一瞬ビクッとしたものの嫌がる気配はない。

「……好きだ」

 自然とそう告げていた。
 エミオンはまだ疑わしそうに弱々しく訊き返してきた。

「……本当ですか?」
「ああ」

 エミオンはちょっと黙り、ぽつりと呟いた。

「……好きです」

 恥じらいを残した声に温もりを感じた。
 ゼクスはエミオンの肩口に顔を埋めた。

「……本当に?」

 小さく頷いたエミオンが動いて身体の向きを変え、ゼクスの背中に華奢な腕をまわし、正面から抱き合った。
 長いことそのままでいたゼクスとエミオンだが、徐々に熱が冷めてくると猛烈な羞恥が襲った。
 だがそれでも離れたくなくて固まっていると、月が雲に隠れた。

「……あの、殿下」
「ゼクスでいい」

 エミオンが口ごもる。

「エミオン姫」
「……エミオンでいいです」

 今度はゼクスが黙り込む番だった。

「……」
「……」

 月が雲から顔を出す。
 ゼクスはクッと笑った。
 エミオンもクスッと笑った。

「……なにをしているのだろうな、私たちは」
「……お互いに変な遠慮して、ばかみたい」

 ゼクスがエミオンを見つめていると、エミオンの白い指がゼクスの頬をなぞった。

「叩いてごめんなさい。痛かった?」
「いや……私より、あなたの手の方が痛かったのではないか?」

 エミオンがかぶりを振る。

「手より、胸が痛かった」
「……そうか、そうだな。私も同じだ。正直、あなたが私を好きだなんて……まだ少し信じられないのだが」
「それはこっちのセリフよ」

 上目遣いで愛らしく詰られて、ゼクスの頭の芯が痺れた。
 エミオンの魅力の前に恍惚としてよろめき倒れそうだ。

「……困った」
「……なにが」
「……あなたと離れたくない」
「……私も離してほしくない」

 エミオンの甘い声にゼクスは耳まで真っ赤になった。
 幸せで、幸せで、幸せで……胸がいっぱいになり危うくエミオンを抱き潰すところだった。

「痛い痛い痛い痛い」
「あ、あ、あ、す、すまぬ! つい力が入って……あまりにも、その、あなたがかわいくて」

 ゼクスが微笑むとエミオンが顔をくしゃくしゃにして突然泣きはじめた。

「な、な、な、なぜ泣く!?」
「嬉しいの!! いいからしばらく泣かせて」

 女性の涙に弱いのは男の性(さが)で。
 ゼクスはあたふたとうろたえたが、エミオンが胸にしがみついてきたのでそのままにし、迷いためらった末におずおずと髪を撫でた。

「……もし、許してもらえるなら」

 断られるかもしれない、と覚悟しつつゼクスは続きを言った。

「……もう一度、はじめからやり直せないだろうか」

 エミオンがしゃくり上げる。

「……はじめから?」

 ゼクスはエミオンの涙を指で拭った。

「……はじめから。あなたと私が出会った、あのときから」

 思えば、一目惚れだったのだろう。
 大勢の大人の中でつまらなそうにしていた小さな女の子。

 ――笑顔が見たくて、声をかけた。
 ――声をかけたら、泣かれて嫌われた。

 ひたすら想い続けたこの十四年の歳月が無駄なものだったとは思わない。
 けれど気持ちの重ならない時間だったことはまぎれもなく事実で、だったらせめて過去を礎にエミオンとの関係を一からやり直すことで、この先の二人の未来を幸福なものにできればいい。
 ゼクスはエミオンの両手をそっと握った。

「生涯、あなただけを大切にすると誓う。だからどうか私と共に生きてくれないか」

 エミオンは眼を涙で濡らしたまま小さく笑った。

「……なんだか求婚されているみたい」

 ゼクスは手と眼に力を込めた。

「……まぎれもなく求婚しているのだが」

 エミオンは笑声を弾けさせた。

「いやだ、はじめの出会いからやり直すんじゃなかったの?」
「そうだ。だからやり直しているじゃないか」

 ゼクスが憮然として言うとエミオンはきょとんとした。

「……出会い頭に結婚の申し込み?」
「悪いか?」

 するとエミオンがとびきりの笑顔でゼクスに飛びついてきた。

「悪くないわ!」

 小気味のよい返事にゼクスも破顔し、エミオンを高々と月に掲げて言った。

「……やっと、あなたの幸せそうな笑顔が見られた。もう思い残すことは……あるな、結構」
「思い残すことがないなんて言ったら怒るわよ。私たち、なにもかもこれからなんだから」

 ゼクスはエミオンをゆっくりと地面に下ろし、和やかに追及した。

「これからなにを?」

 エミオンはかわいらしく小首を傾げ、少し考えて言った。

「やっぱり自己紹介かしら。私たち、お互いに知らないことがたくさんあるもの」
「なるほど」

 相槌を打ったゼクスの前でエミオンが優雅にお辞儀した。

「――あなたの妻のエミオンです。どうぞよろしく」

 意表を衝かれたゼクスは一瞬呆けたものの、すぐに姿勢を正した。
 眼の前ではエミオンが畏まった態度ながらも楽しげで、ゼクスが挨拶に応じるのを待っている。
 ゼクスの胸にエミオンへの熱い想いが込み上げて、衝動にかられるまま、ゼクスはエミオンの頬を両掌に挟み、額に優しく口づけした。

「――あなたの夫のゼクスだ。こちらこそ、末永くよろしく」

<< 次の話  
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【2014/06/22 02:01】 | 受難の恋
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 こんばんは、安芸です。
 最終話まで連続投稿します。
 よろしくお願いいたします。
<< 前の話


 ゼクスの告白をエミオンは身動ぎもせずに聞いていた。
 血を吐くようにとつとつと話すゼクスの苦しげな顔は蒼白、恐ろしく緊張した態度にエミオンも覚悟を持って臨んだ。
 どんな事実を教えられようと最後まで倒れずに聞こうと。
 だから余計な口を挟まず、ゼクスが語る言葉にじっと耳を傾けていた。
 だけど。

 ――これは、ない。

 エミオンの頭に上っていた血が急速に冷めていった。
 確かに、ゼクスの話を聞きたいと言ったのは自分だ。
 でもそれは真実を知りたいからであって、もっともらしい嘘八百など聞くだけばからしい。

 ――そんなに真剣な顔で……。

 エミオンは眼を眇めた。

 ――愛している、なんて嘘を吐く。

 気がついたとき、エミオンの自由な方の手は空を切っていた。
 パシッ、とゼクスの頬を平手で打つ。

「……」

 ゼクスは動じず、ただひどく傷ついた眼でエミオンを見つめた。
 エミオンもまた傷ついていた。
 いま耳にした言葉のどれか一つでも本当だったらどれほど嬉しいかしれない。
 でも心ときめくようなセリフをいくら並べられても、そこにゼクスの気持ちがなければ虚しいだけだ。
 エミオンは激しい胸の慟哭を一言に込めてぶつけた。

「嘘吐き」

 断罪を待つ囚人のように沈黙していたゼクスが眼元を険しくしてエミオンを睨んだ。

「嘘ではない」

 エミオンは繰り返した。

「嘘吐き」

 ゼクスも繰り返した。

「嘘ではない」

 掴まれていた手首にグッと力が入り、エミオンはゼクスに引き寄せられた。
 一度は冷めた怒りがまたぶり返してくる。
 エミオンは自分の中で抑えていた理性のタガがブツっと切れた音を聞いた。

「嘘ではない、ですって? 私のことが好き? 四六時中私のことを考える? 私に心から恋焦がれて――私を愛している?」
「……そうだ」

 エミオンはゼクスを睨み返した。

「よくもそんな大嘘が吐けたものですわね。はじめて会ったときから、あんなに冷たかったくせに。ドブスと罵られたことは忘れていませんわよ。グズだのバカだのアホだの、よく苛めてくださっておかげでしばらく男性不信になりましたもの」

 ゼクスも激昂していた。

「それは……っ。私が愚かだったのだ。私があなたに惹かれるあまり、あなたに私を見てもらいたくて、いらぬちょっかいをかけることしかできなかったゆえ……悪かったと、思っている。謝って済む問題ではないが……許してくれとも、言えないが……」
「会えばいつも意地悪で皮肉めいたことばかり言って優しくなくて!」
「私はあなたを前にすると緊張してうまく話せなくなるのだ!」
「求婚の言葉もなく騙されるように王宮に連れられて結婚させられて!」
「求婚したところで断られるに決まっているのだ、できるわけがない!」
「結婚しても名ばかりの夫婦で、あなたは私を放って置きっぱなしで!」
「あなたに嫌われているとわかっていて手が出せるか! 少しでも無理強いしてまた自決されでもしたらどうする!? あんなに恐ろしい思いをするのは一度きりで十分だ!」
「あのときはああするよりほかなかったのです! 殿下にとってとるに足らない存在だと思い知るのが嫌で嫌で堪らなく、それくらいなら死ぬ方が遥かにましでした!」
「死ぬだと!? 許さん! 私の息があるうちはあなたを冥界の王になどくれてやるものか!あなたは私のもの、私の妻、誰にもやらぬ!」
「誰が誰のものですって? もの? 妻? おかしなことをおっしゃいますこと! 私たちが夫婦であったためしなど一度たりともありませんでしょう」

 エミオンが乾いた笑いを浮かべると手首からゼクスの手が離れ、両方の二の腕を掴まれた。

「……その、他人行儀な口の利き方はやめてもらおう」
「……だったら、あなたも嘘なんて吐かないで本当のことを言って。あなたが本音を言ってくれるなら、私も本音を言います」

 ゼクスがピクリと片方の眉を持ち上げて反応した。

「……あなたの本音、だと?」

 エミオンはおもむろに顔を背けた。

「……あなたが私に本音を聞かせてくれたら、です」

 するとゼクスは困ったような戸惑いを見せた。

「だから私は嘘など吐いていないと言っているだろう」
「信じられません」
「信じろ」
「信じられません!」
「信じろ!」

 エミオンはいきり立って叫んだ。

「あなたが私を愛しているなんてそんなことあるわけないわ! 私はあなたに妻らしいことをなにもしてあげられていない。この二年、あなたにばかり働かせて私はただのうのうと過ごしていて……こんなんじゃ愛想尽かされても当然です」

 涙がせり上がってきた。だが泣くのは我慢した。泣いて縋るなんて卑怯なことはしたくない。最初で最後の告白ぐらい潔く決めたい、そう思った。

「……私に気を遣う必要はありません。本当に好きな方のところに行ってください」

 エミオンは気丈なふりをして精いっぱい微笑んだ。

「……優しくできなくてごめんなさい。私ももっと早く自分の気持ちに気がついていれば、素直にあなたに好きだと伝えられたのに。そうすれば私たちもいまとは違った関係で、もしかしたら、普通の……ケンカしたり仲直りしたり、そんな普通の夫婦に……」

 なれたかもしれないのに。

 最後までは言えなかった。途中で嗚咽が漏れて、大粒の涙がボタボタと溢れてしまった。
 大泣きするエミオンを前にゼクスは思いっきり顔を顰めている。

「……待て。いま、なんて言った?」
「……や、優しくできなくて」
「違う。その次だ」

 じれったそうに語尾を荒げてゼクスはエミオンを揺すった。

「……好きだと? あなたが、私を? そう言ったか?」
「……言いました、けど」

 するとゼクスは突然怒ってエミオンを突き放した。

「嘘もたいがいにしろ! あなたが私を好きだと? よくも言えたな、そんな大嘘が! それで? そんな愚にもつかないことを言って私をしおらしく騙し追っ払って別れようという腹か? あいにくだったな。私はあなたと離縁するつもりなどないし、あなたを手放さない。どれほど嫌われようと死ぬまで傍にいてやる!」

 エミオンは涙を手の甲で拭い、興奮して怒鳴り返した。

「どうして嘘なのよ!? 私は嘘なんて言ってない! 私があなたを好きでなぜいけないの!?」

 ゼクスはむっつりと言った。

「信じられない」
「信じなさいよ」
「信じられるか!」
「信じなさいってば!」

 声高な応酬のあとエミオンはゼクスと額を突きつけて相対した。
 エミオンも怒り狂い、ゼクスも怒り狂い、二人は同時に凄んで言った。

「……私の方が先にあなたを愛していると言っただろう」
「……妻が好きだと言っているのに信じない夫がどこにいるのよ」

 二人の間をひゅうっと一陣の風が通った。

「……」
「……」

 痛いほど殺伐とした空気が漲り静寂が続く。

「……」
「……」

 ややあって、ゼクスがふと動揺したようにまごついた。
 まだ警戒を解かないエミオンの前でゼクスが少し俯き、照れたように手で口元を覆う。
 エミオンはゼクスの豹変した態度を胡散臭そうに眺めて、わざとつっけんどんに訊ねた。

「……なによ。なにか言いたいことがあるなら言えば?」
「……思ったのだが」
「……」
「……もしかして、私たちは、その……」
「……?」

 ゼクスが艶を帯びた一瞥をエミオンに投げかけて言った。

「……両想い、なのでは、ないかと……違う、か?」

 違ったらすまぬ。とゼクスが恐々と付け足した。
 エミオンはゼクスのいまの言葉を反芻した。
 そして事ここに到る相互のやり取りを思い返して、一気にパニックになった。

「……え? えっ!? ええ!? だ、だって、両想いなんてそんなことあるわけ、でででででも」
「エミオン」

 名前を呼ばれてうっかりゼクスを見たのがいけなかった。
 いままでに見たことがないくらい優しい眼と慈しみにみちた微笑みがすぐ間近にあって、そっと手を伸ばされた。

「!?」

 思わず走って逃げた。
 だがすぐに追いつかれた。
 案の定、ゼクスは怒った。

「なぜ逃げる!?」

 エミオンはゼクスに手を握られて真っ赤になりながら答えた。

「逃げたかったの!」
「ダメだ、逃がさない」

 ゼクスは抵抗するエミオンの腰を強引に腕にさらって、覆いかぶさるようにエミオンを背後から強く抱きしめた。
 エミオンの思考が沸騰しかけたそのとき、ゼクスの消え入るような囁きが届いた。

「……逃げないでくれ……」


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【2014/06/22 01:46】 | 受難の恋
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 こんにちは、安芸です。
 受難~もいよいよ大詰め。
 あと三話です。
 最後までどうぞお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
<< 前の話


 月明かりのもと、ゼクスはいまにも卒倒しそうなほど眼を見開いて立ち尽くすエミオンのきれいな瞳に自分が映っていることがなんだか申し訳ない気持ちになった。

「……こんなことを言えば、あなたに気持ち悪がられることはわかっているのだが……」

 ゼクスは唇をきつく結んだ。

 ――……苦しい。
 ――とうとう知られてしまった。

 心が破裂し、十四年もの歳月の間溜めていたものがどろどろと溶けて流れ出していく。積み重ねていた想いが血の泥となって身体から滴り、ゼクスを足元から浸食していく。
 もう終わりだ、とゼクスは悲嘆に暮れた。
 覆水盆に返らず……一度口にした言葉はなかったことにはできない。

 ――生涯、告げるつもりはなかったのに。
 ――言葉にしなければ、これ以上嫌われずに済んだのに。

 ゼクスはかつてないくらい深く落ち込んだ。
 ただでさえ疎まれているというのに、「好きだ」なんて言ったらますます嫌がられるだろう。今度こそ、別居を申し出てくるかもしれない。いや、いっそ離婚を願われるおそれもある。
 ぞっとした。
 エミオンを手放すことなど考えられない。死んでも嫌だ。離れるなど夢でも断る。たとえどれほど厭われようと、別れはしない。絶対に。
 ゼクスは口角を歪ませた。本当のことを打ち明けなければならないかと思うと気分はどん底で口が重く、胸が潰れそうな苦痛を味わった。
 だがそれでもエミオンが望むのならば、致し方ない……。
 ゼクスはエミオンを見つめながら、途切れ途切れに話した。

「……あれはいまから三年前、私が十五のときだった。ジョカ兄上が、私のために第二王位継承権を放棄したのは……暗黙の王家の掟により王子が三人以上生まれた場合、長男と次男を除いて王籍は廃される。ムダな後継者争いを防ぐために。そして王家の暗部を支える役割を担う……私もそうなるはずだった。だが」

 咽喉が詰まった。
 あの日のことが脳裡に甦る。


 当時次兄ジョカは二十一。
 不真面目で奔放、いつも他人の迷惑になるようなことをしでかしては騒ぎを起こしていた。
 それでも不思議と人徳があり、人品骨柄卑しからぬ長兄アギルと肩を並べてもなんら遜色のないカリスマ性を備えていて、王家は安泰だと見込まれていた。
 ところがゼクスが十四で成人したその一年後、ジョカがゼクスを訪ねてきて言った。

「俺、王子辞めるわ。あとはおまえがやれよ」

 ゼクスは訝しんだ。

「……辞める?」
「そ。第二王位継承者―なんて面倒くせぇ立場はおまえに任せるわ。俺は裏で好きにさせてもらう。だからおまえはさ、あくせく働いて気立てのいい嫁でも貰えよ。じゃあな」

 ジョカはひらっと手を振って背を向けた。
 それきりジョカは表の世界から姿を消した。
 翌日から第二王位継承者の地位に就いたのはゼクスで、ジョカの代わりにアギルの片腕として執政に深く携わるようにもなった。
 なぜこんなことになったのかわからないまま多忙な日々が続いたある日、珍しく長兄アギルと二人きりになった。それは他国の使者との面会を控えたほんの束の間の時間だったが、アギルがゼクスを見て言った。

「ジョカがおまえの身代わりになったのは、罪滅ぼしのためなのだよ」
「――兄上が私の身代わり……?」

 逆ではないのか。
 私が兄上の身代わりだったはず、と言いかけたゼクスを制してアギルが続ける。

「おまえとエミオン姫との出会いをメチャクチャにした責任を取った。ジョカはなにも言わなかっただろうがあれで結構繊細なところがあってね、おまえのエミオン姫に対する傾倒ぶりを見て本物だと気づき、バカな悪戯心でおまえの純真な心を痛めつけたと、ずっと気に病んでいたんだ。だからおまえがエミオン姫と結ばれるよう自分が身を引いた」
「……そんな」

 ゼクスは絶句した。思いもよらぬ真相に頭が混乱した。
 王家の男児は十四で成人し、十五で役職に就く。三男以降は十五を境に表舞台から消えて裏舞台に潜り政治の裏交渉、諜報、暗殺など手を血と死に染める。それが連綿と続く王家の習わしだ。家族や友人との縁は断たれ、社会的に抹殺された存在となる。
 当然エミオンとも会えなくなる――そう絶望していた矢先の出来事だった。
 ゼクスは思考の整理のつかない状態でアギルに訊ねた。

「私はどうすればいいのでしょうか」

 アギルはあっさりと答えた。

「仕事をしなさい」

 ゼクスはぼんやりと鸚鵡返しに呟いた。

「仕事……」
「仕事をして、幸せになるといい。それがジョカの望みなのだから」


 ゼクスは長く吐息した。

「だから私は仕事をする。いや、私にできることはそもそも仕事しかないのだ。それに仕事をしていれば……仕事をしている間だけは、あなたのことを考えずに済む……」

 エミオンの瞳が息を吹き返してふと揺れた。
 悩ましい形の唇が疑問をぶつけようと動くが、声が声にならずに掠れる。
 ゼクスは口よりもはっきりと物を言う眼に気圧されてしゃべった。

「……気色悪いと思われるだろうが、私は、仕事を除いては……あなたのことを考えるより他やることがない。朝も昼も夜も、ずっと、ずっと……仕事以外は、あなたのことだけ考えて生きている……あなたはいまなにをしているだろうか、なにを考えて誰を想っているのか……そんなことばかり考えては苦しくなって、気分は最悪、夜も眠れない。だからそういうとき私は仕事に逃げている」

 段々と声がしりすぼみになっていく。
 大の男が「仕事に逃げる」などと公言することではない。ダンに聞かれれば胸倉を掴まれて無言の喝か頭突きを食らわされるだろう。みっともないことを言うな、と罵られるに決まっている。
 しかしゼクスはそこで口を噤まなかった。

「……あなたを隠しているのは、いま内政が荒れていて国政に不満を持つ者が重職につく者のみならず、その恋人、友人、家族を含めて攻撃の対象としているからだ。あなたは私の妻だから狙われる恐れが多分にあったし、それに……これが一番の理由なのだが、美しいあなたを人目にさらしたくなかったのだ。あなたの興味が余所に向けられるのも怖かったし……他の男の眼に留まる危険は排除したくて……その、つまりは、私の我がままで……すまない」

 エミオンの表情ははじめ茫然、次には疑念、混乱、戸惑い、呆れ、と忙しく変化し、しまいには虚ろを通り越して無表情になった。
 いまエミオンは一切の感情を欠いた顔でゼクスと向き合っている。
 その心がどうなっているのかなどまったく伺えない。
 ゼクスはいたたまれず、どうにも身を隠したい衝動にかられながらも必死に冷静さを保とうと懸命の努力をした。
 無様な告白だ、恰好悪いことこの上ない。

「……」
「……」

 ゼクスは極度の緊張状態にあった。
 これを言えば決定的に嫌われる、そう確信があった。
 だから言うのは嫌だった。けれどエミオンがゼクスの言葉を待っている。
 ゼクスは身震いし、何度か呼吸をしたあと覚悟を決めた。
 もう月も木々も夜の闇さえも眼に入っていなかった。風も絶えた。
 ゼクスの眼に映るのは最愛の妻、エミオンの姿だけだった。

「私が執着しているのは、他でもない……あなただ」

 ずっとずっと言いたくて、でも言えなくて、黙っていたこと。

「私が心から恋焦がれているのは……」

 ゼクスはエミオンを熱く真剣な眼で見つめた。
 そして一生口にする機会などないと諦めていた言葉を告げた。

「……私が愛しているのはエミオン姫、あなたなのだ……」


<< 次の話  
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【2014/06/21 11:57】 | 受難の恋
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菜の月
連続更新!!有り難うございます!!
菜の月です(^^ゞ

いよいよ残りあと3話なんですね。
いつもはヒロインの為の『王道ハッピーエンド完結』を楽しみにしてしまうのですが、こちらのお話では不器用王子様の為に是非『王道ハッピーエンド』を願ってしまいます!
が・ん・ば・れ・王子!!

いつも素敵なお話を有り難うございます!!


Re: 菜の月様
安芸とわこ
 こんばんは、菜の月様! コメントありがとうございます。
 
 たびたびのエール、嬉しいです。ありがとうございます!
 ご期待に添えるかどうかわかりませんが、ハッピーエンドはお約束いたしますのでどうか最後までお愉しみいただければさいわいです。
 
 どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 安芸とわこでした。

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 こんにちは、安芸です。
 久々の更新です。
 佳境、まっただなかです。
<< 前の話


 なにを言われているのかわからなかった。
 ゼクスの言葉は理解不能でエミオンはスッと無表情になった。
 だが心に届いていないわけではなく、湖面に落とされた小石が波紋を投げかけゆっくりと湖底に沈んでいくように、ゼクスの告白はエミオンを揺さぶった。
 遡ること十四年前から今日に至るまで――どの記憶の中にもゼクスはいた。
 春も夏も秋も冬も。
 はじめて会ったときから、ゼクスは折りにつけ屋敷を訪ねてきた。初対面が最悪だったこともあり、力の限り逃げ隠れした。だがゼクスはしつこくて、エミオンを見つけるまで探し続けた。そのくせ顔を見れば「ブス」と言い、エミオンが無視を覚えると、今度は恰好をからかわれたり、髪を引っ張られたり、手を掴まれたり、虫を見せられたりした。
 当時ゼクスがエミオンと接触を持つ機会は主に兄クアンを介してだったはずだが、それにしてもゼクスは頻繁に姿を見せた。こちらが顔を忘れる隙を与えず色々な理由にかこつけて現れては、その都度、神経を逆撫でするようなことを言われ続けてきたのだ。その嫌がらせは子供時代を経て手を変え品を変え続いていた。

「花がきれいだったから持ってきた。これを眺めていれば鬱も晴れあなたも少しは華やかになれるのではないか」
「鬱なのは殿下が鬱陶しいからですし、地味な顔はもとからです」

「おい、暑さで頭がおかしくなってはますます嫁の貰い手がないぞ」
「暑さで頭がおかしくなろうと嫁の貰い手がなかろうと、殿下に関係ないでしょう」

「珍しい菓子を手に入れた。食せ。貧相な身体つきよりは多少肥えた方が見栄えもよかろう」
「凹凸のない身体で見栄えが悪くすみませんね」

「風邪をひいただと? なんとかは風邪をひかぬはずだ、油断が過ぎるぞ。私が早くよくなるよう見張っていてやるからとっとと治せ」
「なんとかってなんですか! 早く治したくても殿下に傍にいられては治るものも治りません。迷惑ですから帰ってください」

「エミオン姫、待て。逃げるな」
「嫌です、逃げます。追ってこないでください」

「徹夜で読書だと? それでそんなに顔が悪いのか」
「顔色が悪いの間違いではないですか!?」

「社交界デビュー? デビュタント? 王宮で母に挨拶だと? イブニングドレスにディアデムか……なんともお粗末だな。あなたのつたない社交術でサロンに出かけては恥だろうに」
「大きなお世話です!」

 ……思い返せば思い返すほど、腹立たしい会話しか記憶にない。
 ゼクスはしょっちゅう花だのお菓子だの手土産に持ってきてくれるのだがいつも一言余計で、素直に礼を言えたためしがない。
 パーティに行くといえば眉をひそめられ、晴れのデビュタントに「おめでとう」もなく不機嫌な顔をされて、お茶会に誘われたと話せば「相手は誰だ」と詰め寄られ、本当に、うるさくて鬱陶しくて。
 兄の友人でなければ、王子という身分がなければ、とっくの昔に絶縁状を叩きつけていただろう。
 そのゼクスの口から、なんて?
 この世で一番美しい……人?
 ゼクスの声がエミオンの耳を通り胸の奥にようやく到達したとき、感じたのは怒りだった。

「――嘘です」

 ふつふつと猛烈な怒りが込み上げてきてエミオンは身をブルブルと震わせた。

「嘘です、そんなこと。なんのためにそんな嘘を吐くのですか。そんな歯の根の浮くようなお世辞で私を惑わせようなんて、なにを企んでいるのです」

 真面目な顔で、そんなに悲愴な眼をして、懺悔かと思えば――あからさまな機嫌とり。
 エミオンはベンチから立ち、ゼクスを非難の眼で睨みつけた。

「心にもないことをおっしゃらないで。私の機嫌をとる目的は? もしや、す、好きなお相手に子供でも出来たのではなくて?」

 本妻ではなく妾妻に先に子供が出来た場合、本妻の地位は揺らぐことなくとも立場は微妙なものになる。子供が男児だった場合、事態は更に深刻だ。ゼクスが認知しなければ後継者問題に発展することはないだろうが、認知しなければしないで禍根が残るだろう。
 いずれにせよ、エミオンにとってはショックだ。
 ゼクスは眼を瞬き、間の抜けた声を出した。

「は? 子供?」

 戸惑う様子のゼクスの白々しさが恨めしい。
 エミオンはじわじわと気が昂って言った。

「とぼけないでください。それとも 、もっとひどいことを隠していらっしゃるの?」

 ゼクスは陰りのある美貌をいっそう暗くして不審そうにエミオンに訊ねてきた。

「待て。あなたはさっきからなにを言っているのだ。隠しごと? 私が、あなたに?」

 まるで心当たりがない、という顔が憎らしい。
 エミオンの涙腺が決壊した。ポロポロポロと涙が両方の眼からこぼれる。
 途端にギョッとしゼクスが慌てふためく。
 エミオンはそんなゼクスをまっすぐに見つめてアギルから訊いてみるがいいと言われていたことを一気にまくしたてた。

「殿下は隠しごとだらけではないですか! そうではないとおっしゃるならお答えください。ジョカ殿下はなぜ第二王位継承権を放棄したのです? 殿下が朝から晩まで仕事しているのは政務が忙しい以外に理由があるのですか? 私を軟禁しているのはどうしてです? 殿下が――執着しているただひとつのものって……なんですか」

 心がきりきりと痛む。
 絞るような掠れ声でエミオンは最後に訊ねた。

「殿下が……心をそっくり明け渡すほど恋焦がれている相手って、どなたですか……?」

 ゼクスはエミオンの剣幕に唖然としたのも束の間、エミオンの流れる涙を拭おうと手を伸ばしてきた。
 エミオンはその手を払った。いまは触れられたくなかった。
 ゼクスは拒絶された手を宙で止め、物憂い声で一言呟いた。

「――それがあなたのしたい話、か?」
「そうです」
「私は……答えなくてはいけないだろうか」

 ゼクスに静かに眼を伏せられて、エミオンは深く失望した。

 ――やはりどこまでいっても、わかりあえることはないのか。

 所詮、名ばかりの妻なのだ。

 ――みじめだ……。

 エミオンはこれ以上になく傷ついて、しばらく声も喪って立ちつくした。
 ややあって、虚ろな眼をして言った。

「――もういいです」
「エミオン姫」

 ゼクスの呼びかけを無視し、エミオンはドレスをつまみ、くるっと身を翻した。

「エミオン姫、待て」

 待たずに駆け出した。
 ゼクスから一刻も早く少しでも遠くに離れて思いっきり泣きたかった。
 どうして好きになってしまったのだろう。
 あんなに冷たい人をなぜこんなに好きなのだろう。
 自分を好きでもない相手を好きになるなんて愚の骨頂だ。不毛なことこの上ない。
 エミオンは石畳に突っかかった。前のめりに倒れかける。
 だが転ばなかった。寸前でふわりと腰に腕が回され、身体を支えられた。

「急に走るな。危ないだろう」
「……離してください」

 すぐにゼクスの手が離れたのでエミオンが再度振り切ろうとすると手首を掴まれた。
 振りほどこうとしたが力が強くて叶わなかった。

「離してください」
「……離さない。離したら、私はあなたを失いそうな気がする」

 エミオンは嗚咽を抑えた低い声でぴしゃりと言った。

「私のことなどどうでもいいのでしょう。追ってこないでください」

 するとゼクスは恐ろしく低い声音で言い返してきた。

「あなたのことがどうでもいいわけないだろう。追うに決まっている」
「離してください!」
「断る!」
「どうして離してくださらないの!」
「あなたのことが好きだからだ!」

 夜の静寂にゼクスの激情のこもった叫びが弾けた。
 ついで、心の奥底に秘めていたものを引き摺りだすような苦しげな声音でゼクスは囁いた。

「……はじめて会ったあの日から、ただあなたのことだけが好きだからだ……」

 エミオンは茫然と佇み、ひたと激しい眼を向けてくるゼクスを信じられない思いで見つめた。


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【2014/06/18 12:02】 | 受難の恋
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菜の月
更新!有り難うございます!!
いつも更新を楽しみにしています。

うっわぁ~!!ここで to be continue...ですかっ!?
つっ、ツラいですっ!!

いつも素敵なお話を有り難うございます。



Re: 菜の月様
安芸とわこ
 こんばんは、菜の月様! コメントありがとうございます。

 すみません、お待たせしました~!
 ようやく、ここに至りました。
 受難~も残り数話です。
 最後までお付き合いいただければ嬉しいです。
 こちらこそ、いつもご来訪いただいてありがとうございます。
 読者の方のコメントはなによりの活力になりますので、少しでもお愉しみいただければさいわいです。
 引き続きよろしくお願いいたします。
 安芸とわこでした。

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